研究概要 |
本研究の目的は,コミュニケーションに障害があるため,通常の歯科保建指導と治療に適応の困難な発達障害児・者に対して,通常の歯科保健に適応できるように成育を支援するプログラムを開発し普及することである.発達障害児・者では,特に言葉によるコミュニケーションの障害が大きな問題であることは明らかであるが,視覚による認知能力には優れているという特徴から,周囲の環境を「構造化」して,この障害を補いつつ,生活能力を向上させる支援法の有効性が示されてきている.本年度の研究成果は,以下の状況である. 1.発達障害児に対する歯科保健への適応行動支援プログラムの試作と試行 歯科診療の場面や器具およびとるべき行動を絵や写真として作成した.これらをコンピュータソフト(視覚支援ソフト)化して,利角方法により,ざまぎまな形式での印刷を可能とし活用の簡便化を図った. 2.開発した視覚支援ソフトの配布 発達障害児の歯科保健指導を行っている日本障害者歯科学会や日本小児歯科学会関連の大学病院,地域歯科保健センター,臨床経験施設などを中心として約250施設に配布した.また日本障害者歯科学会の認定医講習会,学会発表において,発達障害児に対する視覚支援の重要性について普及させた. 3.視覚支援素材の収集 視覚支援ソフトの配布と同時に現在利用している視覚支援素材の提供を求め,回収した.また視覚支援の現状および要望についてのアンケート調査をあわせて行った.平成19年2月現在約50を回収している. 4.アンケート調査および収集した素材の解析 回収レたアンケートおよび視覚支援素材から,使用目的,使用素材,提示方怯,使用効果と利点,欠点等の情報を分類・評価を加えている.
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