研究概要 |
平成18年度は,小学校理科の教科書データベース作成,分析方針の検討,教科書記述内容分析,そして一部の成果の論文化を実施した。 1.教科書データベース作成 国内で刊行されている小学校理科の教科書のうち,シェアが上位3位までのものについて,本文,図表のキャプション,図中の文字などを含めて,テキストデータベースを作成した。 2.分析方針の検討 分析方針について検討し,まずは,従来の「意図されたカリキュラム」と,「実行されたカリキュラム」の授業に関する分析結果として得られている「観察」や「様子」に関連する言葉の分析を実施することにした。 3.教科書記述分析 「観察」「様子」などに関する記述を集計した。これまでの時点で,「意図されたカリキュラム」と,「実行されたカリキュラム」の分析結果と類似した結果が得られているが,継続して分析を行い,19年度の中学校の教科書分析と合わせて検討する。 4.一部の成果の論文化 既にデータが得られていた理科授業のプロトコル分析について,「様子」という言葉に関する部分について詳細に検討し,論文として日本理科教育学会誌に投稿した。3月末に採録が決定し,19年度の7月に刊行予定となった。これによって,「様子」という言葉が観察などの文脈で使用され,多様な観点での観察を促している可能性などが指摘された。
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