平成17年度より栄養教諭制度が発足した。しかしながら、小・中学校の現場においては、栄養教諭の職務内容等が理解されていないのが現状である。また、栄養教諭がどのように小・中学校のカリキュラムに携わるべきなのか、具体的にどの教科でどのような内容を中心に教育を進めていくべきなのか明確にされておらず、統一したカリキュラムも存在しない。そこで、本研究においては、小・中学校における栄養教諭が携わるカリキュラムの開発研究を行うことを目的とし、児童生徒の食に関する指導について調査を実施するとともに、小・中学校において食育活動を展開した。平成17年度に栄養教諭を採用している道府県は4件、1国立大学法人だったのに対し、18年度には25道府県、11国立大学法人と増加した。栄養教諭を採用していない学校については学校栄養職員が携わっている場合が多い。しかし、給食がセンター方式の場合栄養職員の採用もないことから、児童生徒の食に関する知識の低さが懸念される事項である。食育に対する学校教諭、栄養士や調理員等に対する調査においては、多くが食育の必要性を感じている。また、食育の中でもどのような教育が必要であるかという質問に対しては、「食に関する感謝の念をもつ」「食事のマナー」「食品についての知識」「残食を減らす」等であった。また、児童生徒の食育に関する問題点としては、家庭における食育をどのように行うかという点であり、家庭での食事が重要な課題であることが認識できた。 なお、児童生徒のカリキュラムにおいて栄養教諭が携わるべき時間としては、給食の時間、家庭科、総合的な学習の時間が効果的であるものと考えられ、食育は食品、栄養、身体、衛生など幅広いだけに低学年から高学年まで統一性のある一貫した教育の必要性があるものと考えられた。
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