研究概要 |
平成18年度は,宮城県内の全小・中学校に対して,関係諸機関との連携状況,インターネットを介した相談システムの導入の希望の有無,特別な支援を必要とする児童・生徒の在籍状況等についての調査票を送付し,回答してもらうとともに,宮城県内外のいくつかの養護学校,小学校等をテレビ会議システムで結び,事例検討会や教育支援に関する助言・指導を行うことを試みた. 関係諸機関との連携に関しては,対象となる児童・生徒が在籍していないとの回答があった学校以外は,どの学校においても何らかの形で連携を取っているが,連携先の機関は,教育委員会や教育事務所,県特殊教育センター,養護学校等の教育関係機関が主であった.医療機関や福祉機関との連携については,必要性は感じているものの,実際に連携を取るのは必ずしも容易ではないとの回答が多かった。 インターネットを介した相談システムの導入については,大多数の学校が関心はあるとの回答を行っていたが,実際に導入するか否かについては否定的な回答が多かった。その理由として,施設設備面での問題(予算の問題を含む)やIT機器操作の難しさへの危倶を挙げるところが多く(実際には,そのような問題はほとんどない),学校教育現場におけるITリテラシーの向上を図る必要が示唆された。また,「電話でも十分に事足りる」,「直接に顔を合わせて相談を行うべき」等の意見も散見されたが,実際にテレビ会議システムを導入して相談を試みた学校からは,かなり高い評価が得られている.ただし,その場合でも,実際に訪問しての相談や電話での相談をうまく組み合わせて行うことの必要性が示唆されており,全体的な相談システムの中にテレビ会議システムを位置づけ,うまく活用していく方法を模索していくべきことが示唆された。19年度以降は,テレビ会議システムの実際の活用例を対外的に発信していくことも積極的に行っていく必要があると考えられた。
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