研究概要 |
1.協調運動評価の検討 協調運動評価手段について,検討し,アウトカムとして導入可能なものとして,ナインホールペグテストを選択した.このテストの,日本における信頼性・妥当性が検討されていないので,大学生被験者を使用してではあるが,約50名程度のデータを取り,統計的にそれを検討した.2回以上測定し,その平均をとることで,測定値に信頼性がもたらされることが明確になったが,テスト再テスト法では,きき手の値に加算誤差が生じ,学習効果を排除できないことが予想された.ここでの知見を,2007年度の日本リハビリテーション医学会で発表予定である. 2.協調運動を発達させるプログラムの開発 福山市立深津小学校の特殊学級での教育に参加する中で,体幹固定性(コア・スタビリティー)を高めることによって,末梢巧緻性に影響がもたらされることがわかってきた.小学校特殊学級の教員とのディスカッションを何度も繰り返し,単関節ごとゆっくり動かす・バランスを必要とした体操・体幹固定性が必要な体操・運動感覚が得られるような体操などの実践を繰り返した.最終的に,以上のような内容を含み,学校現場で手軽に教師が実践でき,両親も一緒に楽しめるような体操集を試作した.このプログラムは,2007年度には,きちんとしたイラストをつけて,小学校や保護者に配布し,使用感などを調査したいと考えている. ここでの知見を,2008年のヨーロッパ作業療法学会で発表する予定である.
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