研究概要 |
1.成果公表 日本リハビリテーション医学会学術集会及び,第1回日本作業療法研究学会学術大会で前年度の成果を発表した. 2.運動プログラムの作成 広島県福山市のF小学校の特別支援学級の自立活動に,作業療法士(研究代表者)が月に2回程度参加するなかで,担当の教諭と協働してプログラム開発をおこなっていった.期間はだいたい,2007年1月〜2007年5月であった.体操開発のコンセプトは,(1)体幹・肩・骨盤周囲に影響を与える.(2)学校現場で簡単に実施でき,準備体操として使える,(3)特別な機器を必要としない,(4)集団で実施できる,(5)動作が簡単でわかりやすい,(6)評価とトレーニングのためのチェックポイントを明らかにすることとした. 実施する中でわかったことは,体操プログラムは一見動きが少なくなり,児童によっては飽きがきやすく,継続が難しいことである.そこで,児童が体操終了までの見通しをたてやすいように,体操の順番をホワイトボードに書いたり,体操のイラストをカードにして示したりした.視覚的構造化のアイディアについては,小学校教諭から多くの示唆を頂いた.セッションの最後に,おたのしみとして,ゲームを導入した.おたのしみで体操のコンプライアンスを高めようとしたわけだが,それが結果的に,(1)体操で学習した筋の使い方を応用したり,(2)体育などの教科の準備になったり,(3)社会的スキルの学習場面となった.(1)の例としては,フリスビーや輪投げで,体幹を固定して,上肢を滑らかに使うゲームがある.(2)の例としては,跳び箱の準備として,馬とびをしる等である.(3)の例として,順番を守るとか,片付けるとかである.児童が集中できる遊びは,コンプライアンスを高めるとともに,様々な技能の学習を促進すると思われる.
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