1.成果公表 前年度に作成した運動プログラムの内容やコアに対する介入の是非について、国際学会等で発表した。 2.研究成果 教師との協業の中で作成した運動プログラムの検証が本年度の主たる目標であった。まずは、作成した運動プログラムについて、発達障害をもつ児童にもわかりやすいようにカードとして印刷した。印刷したカードを福山市の通級教室に配布し、フィードバックを得た。フィードバック内容は、以下のとおりであった。(1)カードで体操をイラスト化したことは言語的指示が伝わりにくい児童にもわかりやすい。(2)体操の種類が多い(45種類)ので、短時間で実施できるように目的別にピック・アップしてくれるといい。(3)体操の目的について解説していただく時間を作ってほしい。 フィードバックに応じて、体操プログラムを以下の目的に合うものに絞りこんだ。(1)体幹・肩・骨盤に影響を与える。(2)動作がわかりやすい。(3)固定性を重視したもの。 絞り込んだ体操プログラムを、保護者と本人から同意の得られた児童に実際に実施し、導入の効果を検証した。アウトカムメジャーとして、ナインホールペグテスト、インハンドマニュプレーションテスト、粗大運動発達評価、BOT-2を使用した。週に1回で2ヵ月の介入で、アウトカムの数値の改善があり、本プログラムが巧緻性の改善に寄与する示唆を得た。しかし、今回の研究デザインでは比較群をつけておらず、強固なエビデンスを示すことはできなかった。
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