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2008 年度 実績報告書

ことばの遅れか障害かを文法習得の躓きで判定する方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18653121
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

田中 裕美子  国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60337433)

キーワード言語発達障害 / 文法障害 / ナラティブ分析 / 言語表出誘発
研究概要

H21年度は、これまでに作成した発話誘発課題を用いて文法習得を評価するための具体的な指標を構築し、さらに、臨床像を掘り下げるために新しい発話誘発法を作成し、検討を試みた。
1.ナラティブのミクロ構造指標の構築と躓きの判定
成人(10名)、学童(10名)、幼児(10名)の「カエルの話Frog,where are you?」(Mayer,1969)の再生発話の分析に用いてきた構造指標T-unitに加え、従属節などのComplexity指標や、語の総数や異なる語数などのproductivity指標を加えるとともに、5人の分析者が95%の一致を認めるためのトレーニング作業を行った上で、ナラティブ再生発話を分析した。その結果、学童期から発話に関係節や従属説などの複雑指標が増すこと、また、productivityは幼児<学童<成人となり、文法発達の躓きを判定するための指標が得られた。
2.受動態・使役態文を誘発する課題を用いた文法の問題特性の解明
臨床家が印象として持つ「文法の問題」とは具体的にどういうことかを検討するために、斎藤氏の構文検査(試案)を応用し、複数の言語発達障害児から受動態・使役態文を誘発した。その結果、学齢期になっても受動態・使役態文を構成する際に、動詞の活用に音韻の誤りもしくは不確かさが認められる場合、文法の問題に音韻が介在する可能性が示唆された。また、構造化された誘発課題では受動態・使役態文が言えるが、ナラテイィブの中ではできないなど、文脈によるパフォーマンスの違いが明らかになり、日常の場面で使用できるかどうかを確認するための誘発方法を作成することが今後の課題である。最後に、人物の特性や状況を加味した受動態・使役態の理解課題を考案し、健常児・障害児への実施を行い、表出できないときの背景を探り始めた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] ナラティブを用いた言語指導2008

    • 著者名/発表者名
      田中裕美子ら
    • 学会等名
      日本コミュニケーション障害学会
    • 発表場所
      大阪市公会堂
    • 年月日
      2008-06-01
  • [図書] 「学童期の言語発達」 「言語聴覚士のための基礎 : 知識 : 音声学・言語学」 今泉敏編著2009

    • 著者名/発表者名
      田中 裕美子
    • 総ページ数
      17
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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