研究課題/領域番号 |
18654028
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
綿谷 安男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00175077)
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研究分担者 |
幸崎 秀樹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20186612)
榎本 雅俊 甲子園大学, 総合教育研究機構, 教授 (70185130)
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キーワード | 部分空間の配置 / ディンキン図形 / 直既約表現 / quiver / ヒルベルト空間 |
研究概要 |
この研究の目的は大きなヒルベルト空間Mに含まれるn個の部分空間N1、…、Nnの配置を解明することであった。特に直和に分解できない直既約なものを研究した。今回の研究では、さらに、有向グラフに沿ったヒルベルト空間の部分空間の配置の研究を試みた。有向グラフ(quiver)の直既約表現のGabrielの定理を想いだすと、もっと大きな視点から研究したほうが有望である。つまり、有効有向グラフの頂点をヒルベルト空間に、辺をその間の作用素として表すヒルベルト表現を研究することである。今年度は有向グラフ(quiver)のヒルベルト表現の中で、直和分解できないという意味での直既約で具体的なモデルを構成しようと試みた。有限次元空間では直既約な表現が有限個しかないのはディンキン図形のAh、Dn、E6、E7、E8に限るいうGabrierの研究は有名である。これに対応して、無限次元の直既約なヒルベルト表現の非存在を仮定して、quiverがディンキン図形のAn、Dn、E6、E7、E8に限られることが示せるかを考察した。そのためにこの対偶をとり、今回は拡大ディディンキン図形のAn、Dn、E6、E7、E8の場合に無限次元の直既約なヒルベルト表現のモデルを構成する事に成功した。向き付けに拠らずに構成できることを示すのに、鏡映関手を効果的に使った。そのときに直既約性が保存されるような設定を整備するのに難航したが、必要な例を含む形で解決できた。さら副産物として鏡映関手の双対性も証明することに成功した。
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