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2006 年度 実績報告書

群の表現から見たボーズ凝縮の萌芽研究

研究課題

研究課題/領域番号 18654029
研究機関九州大学

研究代表者

松井 卓  九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (50199733)

研究分担者 洞 彰人  岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (10212200)
キーワードボーズ凝縮 / 無限グラフ
研究概要

無限グラフの上を動く自由ボーズ粒子系が凝縮を起こす条件を研究した。一粒子ハミルトニアンが差分型の離散ラプラス作用素である場合と隣接行列である場合で結果は異なる。主にグラフが有限グラフの極限となっていて、境界のサイズの増大度が体積の増大度より小さい場合(フェルナー条件が成立する場合)を考えた。
一粒子ハミルトニアンが離散ラプラス作用素である場合にはボーズ粒子系が凝縮を起こす条件はRandom Walkが、transientかrecurrentで判断することが出来る事を証明した。
一方、一粒子ハミルトニアンが隣接行列である場合は、いくつかの事例を検討するとRandom Walkの性質だけではボーズ凝縮を起こす条件を記述することは出来ないことが分かる。なぜならば、頂点の数が一定でない時、無限グラフの隣接行列は離散ラプラス作用素にポテンシャル項を加えたシュレディンガー作用素と同じになりスペクトルの性質はグラフの局所的な形状によって異なるからである。このため、一粒子状態ヒルベルト空間での基底状態エネルギーと他のスペクトルにギャップが生じることもあり、体積無限大の極限では得られるCCR代数の表現は特異なタイプとなる。ここで特異であるとは、ワイル作用素が微分可能でないので生成消滅作用素が定義できないことである。
しかし、もしグラフが対称性を持てば事情が変る。特にグラフが従順な群の作用で商空間が有限になる場合は周期的シュレディンガー作用素の状態密度がポテンシャルを持たない場合と同じになること示す証明が応用できてボーズ凝縮は次元が高い時のみに起こすことを証明できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] BEC of free bosons on networks.2006

    • 著者名/発表者名
      Taku Matsui
    • 雑誌名

      Infin. Dimens. Anal. Quantum Probab. Relat. 9

      ページ: 1-26

  • [雑誌論文] An interacting Fock space with periodic Jacobi parameter obtained from regular graphs in large le limit.2006

    • 著者名/発表者名
      A.Hora, N.Obata
    • 雑誌名

      Quantum information V

      ページ: 121-144

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2014-01-10  

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