研究課題
非バリオン型暗黒物質の素粒子としての同定を、検出器物質中で起こる弾性散乱による原子核反跳によりとらえることを目指し、最新の原子核乾板から高精度・高効率に飛跡を読出すX線光学システムの構築可能性評価を行うことが本研究の目的である。今年度はニッケル研磨マンドレルの超精密研磨法の開発において、目標までまだ少し開きがあるが、表面粗さを1nm程度まで下げることができた。これは研磨の前段階である超精密切削の粗さを30-50nm程度に下げること、切削後の研磨工程として研磨剤の粒径を途中で変えずに最初から30nmの小さな粒径のアルミナを用いることにより実現した。また拡大光学系の設計については、基本設計例を作成しこれに合う多層膜のパラメータ(重元素膜厚、軽元素膜厚、多層膜対総数、重元素/軽元素の組合わせ)を明らかにした。具体的にはCo/Siの組合わせで膜厚5.6-8.2nm、多層膜対総数35、軽元素膜厚比0.4、として一次ピーク反射率63%、90%ピーク反射幅0.1度が得られることがわかった。X線照射光学系の設計についてはまだあまり進んでいないが、必要な光源の輝度については、原子核乾板内部での銀L-X線の吸収、銀粒子からの蛍光放射率、拡大光学系の視野角・反射率、CCD検出器の検出効率などの検討から一定の制限を与えることができた。
すべて 2006
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SPIE 6266, Space Telescopes and Instrumentation II : Ultraviolet toGamma Ray 6266(In press)
Review of Scientific Instruments 77
ページ: 328-331