研究課題/領域番号 |
18654047
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
本間 謙輔 広島大学, 大学院理学研究科, 助手 (40304399)
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研究分担者 |
高橋 徹 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教授 (50253050)
山本 一博 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50284154)
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キーワード | 高強度電磁場 / 巨視的真空 / 複屈折率 / 幾何学 / チェレンコフ光 / 加速度場 |
研究概要 |
産業技術総合研究所(AIST)において、電子バンチと高強度レーザーパルスを直交させ、電子前方に放出されるコンプトン散乱によるX線のエネルギー測定を行った。この測定は、来年度実施予定のX線波長域以外の光子検出のための予備実験となるものである。交差角90度近傍に放出される光のエネルギーは、予期されるコンプトン散乱によるエネルギーとほぼ一致することが確認された。ただし、実際には90度から数mradずれた点において、コンプトン散乱光子以外の散乱の寄与が見えているようなデータをも販得できた。電子ビームのバックグランドを差し引いた結果、レーザーコンプトン散乱で期待されるX線領域の光に加えで、γ線領戯の光子もわずかに放出されている兆候がみられた。予備実験を通じて、来年度の本番実験において、γ線域をも精度よく測定するための改善課題を見つけることができた。 上記の予備実験と並行して、学内において数10eVから数keVの光子を検出するための光検出器を製作した。増幅機能付きの光デバイスとして、不感層の薄い30μm厚のアバランシェフォトダイオード(APD)と冷却型低ノイズ前置増幅器の開発を行った。現時点では、冷却された状態での動作は確認されていないが、鉄原子核からの5.9keVのX線がAPDと前置増幅器の組み合わせにより測定できることを確認した。加えて、真空中における、1keV以下の線スペクトラムをもつ光源として、鉄原子核からの高輝度X線を軽元素箔に照射し、間接的に放出される特性X線を一発生させることに成功した。現時点でAMPTEK社のX線検出器により、その測定下限値に相当する、アルミ箔からの1.5keVの特性X線が真空中で確認されており、今後は、開発した光検出器を冷却することにより、さらに低い100eV領域の特性X線検知の確認が期待される。 山本は、より一般的に加速膨張する計量上にある荷電粒子からの輻射について、理論的考察を行い、その結果を論文として公表した。
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