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2007 年度 実績報告書

スピン注入効果により発現するFFLO超伝導の検

研究課題

研究課題/領域番号 18654057
研究機関東北大学

研究代表者

野島 勉  東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80222199)

キーワード超伝導デバイス / 薄膜 / スピン注入 / 従来型S波超伝導体 / マンガン酸化物強磁性体 / FFLO超伝導
研究概要

本研究の目的は、超伝導体Sの両側に強磁性体F、または強磁性体と常磁性体Nを接合させたトンネル接合デバイスを用いて、F層からS層ヘスピン配向準粒子を注入することにより、超伝導を制御し、FFLO状態を引き起こすことである。19年度は、La_<0.7>Ca_<0.3>MnO_3/Nb/Ag(F/S/N)接合(F/S間トンネルバリア層をしてSrTiO_3を使用)の作成条件を再検討し、その0.26Kでのスピン注入効果を調べた。
トンネルバリア層の成長温度を760℃まで下げることにより、良好なトンネル接合の作製に成功した。この試料では磁場中において観測されるトンネルコンダクタンスGの電圧V依存性が非対称性を示し、見積もられる注入電子のスピンの分極率が50%であった。さらにG-V特性を詳細に理論的解析することにより、Nbではトンネル過程におけるスピン-軌道相互作用が比較的大きく、これが超伝導制御の障害となるという知見を得た。
以上から本試料においてはゼロ磁場中での超伝導制御は困難と考え、試料に磁場(膜面平行)をかけ超伝導ギャップを小さくしたところでのスピン注入による超伝導制御を試みた。その結果5T以上の磁場中(臨界磁場6T)において、スピン注入により超伝導が破壊されることを示すG-V特性の発散的性質が観測された。この異常を詳細に調べると、GはVの上昇とともに一旦飛びのような不連続を示した後に発散するという、2段階的な転移を通して常伝導になることを見出した。一段目の転移は、BCS状態からFFLO状態への移り代りを示すものと推測されるため今後の更なる検討が必要である。
当初予定していたLa_<0.7>Ca_<0.3>MnO_3/Nb/CoFe(F↑/S/F↓)接合、Nbの代りにA1、SrTiO_3の代りにMgOを用いた研究に関しては、進展具合が遅れ達成されなかった。本研究結果を基に今後も続けていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 酸化物超伝導体/強磁性体接合膜におけるスピン依存電気伝導2007

    • 著者名/発表者名
      野島勉, 久野薫, 中村慎太郎, 小林典男
    • 学会等名
      金研ワークショップ「ナノ構造超伝導体とその応用」
    • 発表場所
      東北大学金属材料研究所、仙台市
    • 年月日
      2007-11-27
  • [学会発表] Spin dependent transport in oxide ferromagnet/superconductor/ferromagnet heterostructures2007

    • 著者名/発表者名
      T.Nojima, K. Kyuno, S. Nakamura, and N.Kobayashi
    • 学会等名
      Yamada Conference LXI, Spectroscopies in Novel Superconducors
    • 発表場所
      仙台国際センター、仙台市
    • 年月日
      2007-08-20

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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