研究課題
本研究では、2光子干渉におけるアンチバンチングの実現を目指した。パラメトリック蛍光対を、50:50の半透鏡に入射し、その2つの光子の入射時刻差δtを変化させながら同時係数を行うと、時刻差が0のところで同時係数率が0になるグラフが得られ、マンデルディップと呼ばれる。我々は、一方の光子にステップ関数状の位相分散を与えた場合、入射時刻差δtが0のところで同時係数率が1になるグラフが得られる、すなわち、入射された光子が必ず別々の経路へと出力されるアンチバンチングが生じることを理論的に見いだした。アンチバンチング現象を、ボソンである光子でも生じさせうることは、物理的に大変興味深いとともに、バンチング現象と層補的な、まったく新しい量子光学・情報実験のツールを提供する可能性がある。今年度は、空間位相変調器にパラメトリック蛍光対を入射した際の振る舞い、および2光子干渉部の構築を目指していた。しかし、今年度研究開始後、我々の理論予測を裏付ける形で、イスラエルの研究室より、CW光励起で発生したパラメトリック蛍光対を用いたアンチバンチング現象が、残念ながら先に報告されてしまった(Phys. Rev. Lett.2007)。しかし、光子を用いた量子情報処理においてより重要なのは、パルス光励起でのマンデルディップ形状とその制御である。我々の理論は、独立した単一光子間のマンデルディップに対する位相分散の効果についても解析可能である。そこで我々は、今年度パルス光励起の光子対に関して研究を展開した。その結果、パルス光励起によるパラメトリック光子対間の二光子干渉において96%以上、2つの独立した(双子関係にない)パラメトリック蛍光光子間での89%以上と、世界最高クラスの明瞭度を達成した。
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