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2006 年度 実績報告書

近紫外〜近赤外をギャップなしでカバーするサブ20フェムト秒光パルスシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18654074
研究機関大阪市立大学

研究代表者

杉崎 満  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20360042)

研究分担者 藤井 律子  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 博士研究員 (80351740)
橋本 秀樹  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50222211)
キーワード超短光パルス / 新規光源 / 光合成 / 光パラメトリック増幅器 / 色素蛋白超分子合体 / フェムト秒 / カロテノイド / クロロフィル
研究概要

光合成のごく初期過程において最も重要,かつ興味深い点は,カロテノイドからクロロフィルへの高効率,かつ超高速エネルギー伝達である.しかし,研究の進展を困難にしている原因は,以下の二点を同時に満たす光源が存在しないことに起因する.(1)色素蛋白複合体中のカロテノイドによる吸収帯(400〜500nm)で十数フェムト秒のパルスを得る必要がある.(2)カロテノイドからクロロフィルへのエネルギー伝達を解明するためには,(1)の青色領域だけではなく,クロロフィルの電子状態が存在する600nm,及び800〜900nm領域においても超短光パルスを発生させる必要がある.しかもその光パルスは,青色領域の超短光パルスと同期している必要がある.本研究では,チタンサファイァレーザーの第二,及び第三高調波を励起光源として用いることにより,非同軸型光パラメトリック増幅器(NOPA)をシグナル発振させた後にパルス圧縮を行い,360〜750nmにおいて20フェムト秒以下の光パルスを発生させると同時に,THG-NOPAのアイドラー光をパルス圧縮し,630〜1030nmにおいても同様に20フェムト秒以下の光パルスを発生させる光源を開発する.
平成18年度は設計に基づき,THG-NOPAの製作を行った.THGの発生には,2種類のBBO結晶を用い,これをアドインユニットとして,すでに我々の研究室で開発を完了している,SHG-NOPAに搭載するという方法を採用した.THGアドインユニット試作機は500mm×300mmどの大きさである.SHG,及びTHGの発生には0.5mmのBBO結晶を用いた.チタンサファイアレーザー再生増幅器からの入力360mW(100fs,繰り返し1kHz)を2分割した後にSHG, THGを発生させる方式を採っているため,出力はそれぞれ21mW,及び14mWであった.THGの出力が低いために,(光を発生させるだけではなく)物性研究のための光源として,実用に耐えられるTHG-NOPAの安定な出力という段階までは至ることができなかった.しかしながら,これまでの開発において,THG-NOPAの安定な出力の鍵を握るのはSHGの発生であることが分かったため,次年度以降,SHG発生のための非線形光学結晶の種類と厚さを最適化し,更に開発を継続して進めていく予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Anisotropic optical response of InP self-assembled quantum dots studied by pump-probe spectroscopy2007

    • 著者名/発表者名
      M.Sugisaki他
    • 雑誌名

      Physical Review B 75

      ページ: 125315

  • [雑誌論文] Unified explanation for linear and nonlinear optical responses in β-carotene2007

    • 著者名/発表者名
      M.Sugisaki他
    • 雑誌名

      Physical Review B 75

      ページ: 155110

  • [雑誌論文] Determination of the d-Tensor Components of a Single Crystal of N-Benzy1-2-methy1-4-nitroaniline2007

    • 著者名/発表者名
      M.Fujiwara, M.Sugisaki他
    • 雑誌名

      Jpn. J. Appl. Phys. Part 1 46(印刷中)

  • [雑誌論文] Second order nonlinear optical properties of the single crystal of N-benzyl 2-methy1-4-nitroaniline2006

    • 著者名/発表者名
      M.Fujiwara, M.Sugisaki他
    • 雑誌名

      Jpn. J. Appl. Phys. Part 1 45

      ページ: 8676

  • [図書] 光物性の基礎と応用2006

    • 著者名/発表者名
      杉崎 満 他(共著)
    • 総ページ数
      411
    • 出版者
      光物性研究会組織委員会編,オプトロニクス社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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