研究課題/領域番号 |
18654074
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
杉崎 満 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20360042)
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研究分担者 |
藤井 律子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 博士研究員 (80351740)
橋本 秀樹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50222211)
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キーワード | 超短光パルス / 新規光源 / 光合成 / 光パラメトリック増幅器 / 色素蛋白超分子複合体 / フェムト秒 / カロテノイド / クロロフィル |
研究概要 |
本研究は、チタンサファイアレーザーの第二、及び第三高調波を励起光源として用いることにより、非同軸型光パラメトリック増幅器(NOPA)をシグナル発振させた後にパルス圧縮を行い、360〜750nmにおいて20フェムト秒以下の光パルスを発生させると同時に、THG-NOPAのアイドラー光をパルス圧縮し、630〜1030nmにおいても同様に20フェムト秒以下の光パルスを発生させる光源を開発することを目標としている.そしてこの新規光源を用いて、光合成のごく初期過程において最も重要、かつ興味深い点である、カロテノイドからクロロフィルへの高効率、かつ超高速エネルギー伝達機構を解明することを目指している. 研究計画に基づき、本年度も引き続きTHG-NOPAの開発を行った.第三高調波の発生には、2種類のBBO結晶を用い、これをアドインユニットとして、すでに我々の研究室で開発を完了している、SHG-NOPAに搭載するという方法を採用した.THG-NOPAのアドインユニット試作機は500mm×300mmほどの大きさである.昨年までの研究において、THG-NOPAの安定な出力の鍵を握るのはSHGの発生であることが分かったため、本年度はまず、第二高調波発生のための非線形光学結晶の種類と厚さの最適化を目指した.また、昨年までは第三高調波の発生させる際に光パルス間のタイミング合わせには、ビームを分割した並進ステージ方式を用いていたが、出力の上昇と安定化のために、BBO結晶を用いた同軸型のタイムプレート方式を採用し評価を開始した.本年度は、大学内の度重なる停電のために.大元のチタンサファイアレーザー再生増幅器が故障したために、研究の進展が少々遅れてしまった.そのために、次年度はタイムプレートユニットの最適化を早急に進める予定である.そして、(光を発生させるだけではなく)物性研究のための光源として、実用に耐えられるTHG-NOPAを完成させたい.
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