研究課題
昨年度の北極エアロゾル試料の分析結果から、光化学反応でいったん生成されたジカルボン酸が光分解する際に同位体分別を起こし、その結果、同位体的に重い(^<13>Cに富んだ)シュウ酸が大気中に選択的に残ることを示唆する証拠を得ることができた。また、赤道域で採取した海洋エアロゾルについても、シュウ酸の同位体比が増加する傾向を確認した。平成19年度は、ジカルボン酸の分解の際におこる同位体分別を室内実験で評価するために、過酸化水素を含んだ水溶液にジカルボン酸を加え、紫外線を照射する実験条件を確立した。反応後、過剰の過酸化水素を除去するために酵素による分解・除去の方法を検討した。その結果、この過酸化水素分解法を用いて、反応後のジカルボン酸のエステル化を過酸化水素の妨害なく実施できる様になった。現在、この手法を用いて実験を行っている。特に、鉄触媒を加えた実験系でのにシュウ酸などのジカルボン酸の分解実験を行っており、分解後のジカルボン酸の同位体比の測定を、ブチルエステル化した後に、GC/IRMSで行う予定である。
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Atmospheric Environment 41
ページ: 407-416
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