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2006 年度 実績報告書

不安定化学種オルトキノジメタンの新型発生法および高度反応制御法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 18655019
研究機関九州大学

研究代表者

桑野 良一  九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20273477)

キーワードパラジウム / オルトキノジメタン / [4+2]環化付加 / テトラリン / 有機金属触媒 / 2-パラダインダン
研究概要

オルトキノジメタンはDiels-Alder反応においてジエンとして働き、様々な親ジエン体と反応する。従って、テトラリン骨格を構築するための極めて有用な手法として認識され、有機合成の様々な局面で利用されている。しかし、オルトキノジメタンは極めて不安定な化学種であり、特に分子間反応における反応制御が困難とされてきた。そこで、この研究ではオルト(メタロメチル)ベンジルカルボン酸エステルにパラジウム触媒を作用することにより、2-パラダインダン中間体を発生させ、これをオルトキノジメタン等価体として親ジエン体と反応させる新しい触媒反応の開発を目指し研究を開始した。
その結果、(π-アリル)(シクロペンタジエニル)パラジウムと二座ホスフィン配位子DPPEから反応系中で調製したパラジウム錯体存在下、ジメチルスルポキシド中、反応温度120℃で、炭酸2-(トリメチルシリルメチル)ベンジルとアクリル酸メチルを反応させたところ、目的とする2一テトラリンカルボン酸メチルが収率78%で得られることを見出した。この反応では様々な親ジエン体が利用可能であり、電子求引性置換基をもっ活性化された基質だけでなく、スチレンのような活性化されていないオレフィンも親ジエン体として利用できる。さらにベンゼン環上に置換基をもつ2-(トリメチルシリルメチル)ベンジルエステルもオルトキノジメタンの前駆体として利用可能であった。しかし、この置換基と親ジエン体上の置換基に関連する位置選択性の発現は全く確認されなかった。この結果は、この触媒反応が2-パラダインダン中間体を経由して進行していることを示すものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Palladium-Catalyzed Formal [4+2] Cycloaddtion of o-Xylylenes with Olefins2007

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Kuwano et al.
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 129(13)

      ページ: 3802-3803

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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