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2006 年度 実績報告書

遷移金属によるアルキン活性化に基づく新規分子変換

研究課題

研究課題/領域番号 18655039
研究機関京都大学

研究代表者

大江 浩一  京都大学, 工学研究科, 教授 (90213636)

キーワードアルキン / 遷移金属触媒 / カルベン / 炭素-炭素結合生成
研究概要

我々は,アルキンと遷移金属との反応によって生じるカルベン錯体を鍵中間体とする新規触媒反応の開発を行ってきた。既に,官能基化されたアルキンの環化と転位を利用した2種類のカルベン錯体の発生法を見い出し,シクロプロパン化反応を中心とした触媒反応を開発している。本研究では,これらカルベン錯体の反応性を利用した触媒的カルベン移動反応をさらに発展させることを目的にヘテロ芳香族化合物の開環・挿入反応に関する検討を行った。三級酢酸プロパルギルと遷移金属錯体との反応により,ビニルカルベン錯体が発生する。この反応には様々な後期遷移金属錯体が活性を示すが,特に活性の高いルテニウム触媒を用いてヘテロ芳香族化合物との反応を検討したところ,ヘテロ芳香族の開環ならびに形式的な挿入反応生成物を与えることが明かとなった。
ルテニウム触媒[RuCl2(CO)3]2の存在下三級酢酸プロパルギルとフランおよび2-メチルフランとの反応では,フラン環の開環によりそれぞれトリエンが生成した。反応は,生じたルテニウム-ビニルカルベン錯体のカルベン中心がフランの2位へ求電子的に付加することによって進行すると考えられる。一方,2,5-ジメチルフランとの反応では,3位がアリル化された生成物が得られた。これは,カルベン中心がフランの3位C-H結合へ形式的に挿入した生成物とみなされるが,フランや2-メチルフランとの反応と同様にルテニウム-ビニルカルベン錯体のカルベン中心がフラン環3位に求電子的に反応し、続く異性化を経て生成したと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Ru-Catalyzed Ring-Upening and Subtitution Reactions of Heteroaromatic Compounds Using Propargylic Carboxylates as Precursors of Vinylcarbeoids2006

    • 著者名/発表者名
      Miki, K., Fujita, M., Uemura, S., Ohe, K.
    • 雑誌名

      Org.Lett. 8

      ページ: 1741-1743

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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