研究課題
Ga_2O_3とZnOのカーボンによる同時炭素熱還元で生成するGa_2OとZnのガスを結晶成長部へ輸送し、NH_3で窒化することでGaN結晶へのZnイオンのドーピングを試みた。Ga_2O_3とZnOにカーボン粉末を混合したものを、石英ガラス管内で990℃に加熱した。この加熱で発生するGa_2OとZnのガスをArガスで石英管出口まで輸送し、このガス流れに対して向流となるように別の石英ガラス細管からNH_3を導入した。石英ガラス基板を石英管出口付近に置き、1160℃でGaN結晶を成長させた。成長温度1160℃、Zn供給量21at.%で成長させたGaN結晶は、約3μmサイズで六角板状の結晶を示した。XRDの回折強度が高いことから結晶性も高いと判断した。GaN結晶のCL曲線からに約360nmにGaNのバンドギャップに相当するピークが観察され、Znを供給すると420nmのCLピーク強度が増加した。Zn供給量を変化させると(0.4at.%〜8at.%)、GaNのバンドギャツプのCLピーク強度に対して、420nm付近のピーク強度が増加した。また、ICP-AESからZnを供給したGaN結晶中にZnが存在することを確認でき、Zn供給量21at.%の結晶で0.3at.%の亜鉛が結晶中に含まれていることがわかった。以上のことから、Ga_2O_3とZnOをカーボンで還元し、発生するGa_2OとZnをll60℃でNH_3で窒化すると高結晶性で420nmに非常に強い輝度を示すZnドープGaN結晶を作製できた。
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