研究課題/領域番号 |
18656010
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中山 恒義 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80002236)
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研究分担者 |
矢久保 考介 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40200480)
島 弘幸 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40312392)
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キーワード | 分子ローター / ナノテクノロジー / ランダム系 / 極低温 |
研究概要 |
超短光パルスを利用した分子ナノ操作・測定技術は、フェムト秒分光・光ピンセットなどの技術開発を受け、近年着実な進歩を遂げている。しかし既存技術に基づく分子配向の制御可能範囲は、静止した単一分子の操作に留まっており、分子集団の動的な振る舞いを制御する技術は開発途上にある。また、回転素子の分子配向・電子状態を精密に制御するには、分子間に働く多体効果と量子揺らぎの両者を考慮した新たな制御理論の構築が不可欠である。このような課題を克服するため本申請課題では、光子場中の分子が示す量子的回転運動の特殊な対称性に着目し、回転運動に関与する量子状態を選択的に励起する分子配向制御機構をデザインした。これと並行して、大規模数値シミュレーションに基づく本制御理論の最適化を行った。その結果、分子の振動・回転時間スケールより短い時間幅を持つ超短光パルスを用いることで、分子に瞬間的な撃力を分子に与え、分子回転に関連する量子状態のみを選択的に励起することが可能であることを理論的に明らかにした。さらに、光パルスの位相と分子の量子状態が示す対称性をうまく整合させることで、分子配向と量子状態の動的制御が可能となることがわかった。これらの結果は、極性分子間に働く双極子相互作用効果を利用することで、多数の分子集団に対する高効率なコヒーレント配向制御が実現できることを示唆するものであり、位相制御光を利用した量子回転子の制御技術として意義の高い成果である。
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