研究課題
超精密加工の進展に伴い、計測や機械加工に用いられる軸受の回転誤差の低減が必要である。特に真円度測定機や超精密ダイヤモンド加工機に利用される軸受の回転誤差を現状の数10ナノメートルからナノメートル以下にする努力が続けられている。本研究では、従来の回転誤差・真円度誤差分離法である三点法・マルチステップ法では難しいと考えられるナノメートル領域の測定を試みる。軸受端面に結晶格子(グラファイト結晶)を貼り付け、その上にSTM探針とXYZスキャナを配置する。STM探針には横方向に円を描くディザ振動を与え、特定の位相差でトンネル電流を検出する。このトンネル電流の演算により、軸受の回転に伴う横方向の変位を結晶格子の基本並進ベクトルを基に決定できる。本年度は、この手法を提案し、回転を伴わない場合の横変位を捉えることに成功した。回転に伴う変位を検出するには、ディザ振動を回転に同期して位相をずらせばよい。また本年度は、実際の軸受系での実験を行うための装置を試作した。空気軸受け、空気を供給するコンプレッサ、空気の温度を調整する空気温度調整機など購入した。次年度以降に全体の装置が完成し、提案手法と従来法の比較を行う予定である。
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2006年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集,(2006), CO7 Vol. 2006A
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