研究概要 |
18.1 任意波形追随用制御回路の設計 従来,研究代表者らはパルス変調方式では,インバータの点弧角制御により,電流をパルス変調させていた。しかしこの場合,共振回路のQ特性に依存して変調の範囲が限られるため,任意波形追随が難しいと予想される。そこで,今年度インバータ入力側の霞流をDCチョッパにより制御することで任意波形追随高周波電流を実現することを目指した。DCチョッパとして使用し,パワートランジスタの制御にはPWM制御を行うようにした。リファレンス波形として,ファンクションジェネレータで作成した任意波形を用いることとした。インバータ入力部での電流をモニターしてその信号をパワートランジスタの制御信号にフィードバック制御し,参照任意波形に追随できるようにした。このようにして任意波形制御追随用制御回路を設計した。 18.2 プラズマ負荷インピーダンスの測定・解析 プラズマ負荷は,通常の金属などの誘導加熱と異なり,プラズマ点弧前後で負荷インピーダンスが大きく異なり,またプラズマ点弧後もプラズマの安定性にインピーダンス変化が大きく依存する。インバータ入力DC側の制御を行うためには,まずインバータの負荷側インピーダンス変化を把握し,制御のレンジを検討する必要がある。まず現有PMITP装置における負荷インピーダンスを測定し,負荷変動レンジを確認し,制御レンジを検討した。その結果,プラズマ負荷をほぼ0.1オーム程度の抵抗と見積もることができた。 18.3 DCチョッパの組み込みと任意波形の作成 DCチョッパと制御回路とを組み込み,参照任意波形に追随してインバータ出力電流が制御できるか確認した。実際に,購入したファンクションジェネレータにより任意波形を作成し,パルス変調,三角波,鋸波,逆鋸波を作成できた。 18.4 任意波形追随プラズマの点火 当初の目的に従い,任意波形プラズマの点火実験を行い,それに成功した。
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