研究概要 |
シミュレーションにより提案手法の有効性を定量的に評価した(既に,一部のシミュレーション実験はこれまでの予備実験で行っているが実証実験に対応した評価が未着手であり,本年度はこれら未着手のシミュレーション評価を完了した).具体的には,以下の実験をとデータ取得を行った. 1)配線(分割不均一配線)の各セグメント長を変化させた場合の効果を評価した.これまでの評価では,配線幅を変えることで不均一性を実現した.しかし,実際のVLSI内配線やプリント基板上の配線では,配線幅を数十種類にわった変化することはコスト高に結びつくことになる.配線のセグメント長を変化させることで,線幅を変化することと同等の効果が期待できる.設計で使用する遺伝的アルゴリズムの染色体構造をセグメント長変化にも対応できるように改良し,セグメント長可変構造に対応可能となった. 2)負荷(配線に接続された部品などノイズの源となるもの)の数と配線の分割数の関係,インピーダンスの変化範囲など,実際の配線を設計するために必要な基礎データを取得した.これらもデータにより,これらのデータは,今後,最適な配線構造を設計するための設計基礎データとする.さらに,設計時間の短縮化のために設計アルゴリズムの改良を行った(現在,遺伝的アルゴリズムの処理に多大な時間がかかっており実用化のためには,高速化が不可欠である).具体的には以下の2点の改良を行った. 3)遺伝的アルゴリズムの初期の段階では簡易な伝送線モデル(LCRの梯子モデル)を用い,後に高精度な伝送線モデルを用いることで処理全体の高速化した. 4)PCクラスタ上に提案アルゴリズムをマッピングすることで処理の並列度を向上し,処理時間を短縮した.
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