研究課題/領域番号 |
18656112
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90327677)
|
研究分担者 |
斉木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70261196)
山中 直明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80383983)
|
キーワード | 光物性 / フォトニックネットワーク / 光導波路 / 光メモリ / 光スイッチ |
研究概要 |
1.研究の目的本研究では、光メモリ材料である相変化材料と低損失かつ高機能な石英導波路を集積化し、自己保持型光スイッチ及び光時間スイッチを実現するための基礎技術、及び自己保持機能のある光スイッチを活用する光ノード処理技術を確立することを目的とする。大容量光通信の課題の一つに、ネットワークノードにおける消費電力の増加が挙げられる。ノードの主たる構成要素である光スイッチの低消費電力化には、自己保持機能を有するスイッチの利用が有効である。 2.光スイッチの設計石英導波路ではなく、Si細線導波路を前提としてスイッチ構造を検討した。その結果、二つのSi細線導波路間に相変化材料導波路を配置する方向性結合型の光スイッチを考案した。ここで、相変化材料の複素屈折率は、波長1.55ミクロン帯で、アモルファス状態が3.6+0.01i、結晶状態が5.1+0.5iと仮定した。素子寸法は、わずか3μm×21μmであり、きわめて微小な光スイッチである。 3.相変化材料の屈折率評価波長1.55ミクロン帯における、相変化材料の屈折率評価結果の報告は非常に少ない。そこで、相変化材料薄膜の複素屈折率の波長依存性を評価した。その結果、アモルファス状態が3.62+0i、結晶状態が3.2+1.25iとなり、アモルファス状態における吸収が非常に小さいことが分かった。光スイッチが動作する際に、アモルファス状態のときに光が相変化材料を透過するように設計すれば、低損失な光スイッチを構成することが可能になると考えられる。
|