研究概要 |
今年度,ネットワーク・通信の基礎実験,システムのプロトタイプの試作,心理学・生理学的な検証を行った。 1.アドホックセンサ通信モジュールの適用条件の検証と基本機能の実験評価を行った。端末相互認証を行うネットワークメカニズムの明確化,新しいP2P技術の考案,安心・安全なネットワークデータ分散共有システムの構成法の検討を行った。また,香りデータベースのプロトタイプを構築,性能評価を行った。 2.香り信号処理システムの設計と開発を行なった。人間が心地よいと感じられるための生活環境を実現するために,個人の嗜好にあわせた香りを発生させる信号処理アルゴリズムを提案,評価を行った。 3.システムを享受する心理的影響の分析と環境条件の抽出を行った。嗅覚では,ラベンダーとペパーミントを用い,仕事効率向上および精神疲労改善効果について定量分析を行った。視覚では,光色に着目し色彩照明が知覚者に与える心理・生理的反応を定量分析した上で心理臨床への適用を試み,検証を行った。心理学的見地から不安感・緊張感・リラックス度・覚醒度・快感情度を内容とする主観的心理評価,イメージ分析評価,嗜好性評価を行った。作業時に効果的な嗅覚条件と精神衛生に寄与する視覚条件を抽出した。 4.システムを享受するユーザ等に対する効果を生理指標計測により定量分析を行った。通信光として使用する色彩照明に,香り・音楽を組み合わせてユーザに呈示する条件の下,その効果の判別が可能かどうかについての検証を行った。全頭における脳波計測後,周波数分析を行いアルファ帯域のパワー値をトポグラフでの表示,アルファ帯域のパワー値の変化が著しかった01および02で計測された値を標準化し,数値を比較,通信条件による効果判別可能と判断できた。 5.電子情報通信学会,日本健康心理学会,日本心理臨床学会の会議・研究会へ参加し,聴講および発表を行った。
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