研究課題/領域番号 |
18656114
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90214600)
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研究分担者 |
片井 修 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50089124)
塩瀬 隆之 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90332759)
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (90352525)
半田 久志 岡山大学, 自然科学研究科, 助手 (60304333)
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キーワード | 不便益 / システムモデリング / システム設計 / ユーザビリティ / 風土的人工物 |
研究概要 |
○[不便益に関する知見の整理:川上]各種講演やOS(計測自動制御学会知能システムシンポジウム)を通して初年度には研究グループ内外からいくつもの知見が得られた。その整理を通して不便益の輪郭が明らかになりつつある。 ○[定性的情報理論を援用した緩やかな拘束の定式化:半田]不便益と拘束の緩やかさ(中庸)との関墜に注目レており、定性的情報理論とも呼ばれるチャネル理論を援用して中庸を見極める枠組みを検討しているが、初年度に得られた結果は一般論を出ておらず、今後具体例を交えて検討する。 ○[ネットワーク解析を援用した緩やかな拘束の定式化:塩瀬]定性的情報理論と並行してネットワー之解析を援用した中庸の中庸な定義を試みている。初年度はいくつかの事例をネットワークにコーラシングしてみたが、いまだ構造解析にかけ得るほどの大規模なネットワークは得られず、またコーディング方法自体にも検討の余地があることが判明した。 ○[インタフェースデザインを対象とした実証実験:須藤]不便益の知見の一つである緩やかな拘束がもたらす影響を実証的に実験するため、初年度はweb siteの構造を対象とした実験を実施し、数十名程度の被験者から統計的データを得た。また、コミュニティのインタフェースとして野良猫を用いるというアイデアを「ねこメディアスタータキット」として実装し、実験準備を整えた。 ○[インクルーシブデザインワークショップの実施:塩瀬]便利を追求するときに些細な事として看過された事象に多くの不便益が認められる。この看過されたものを掘り起こすプロセスとしてインクルーシブデザインに注目し、何度かのワークショップを重ねた。 ○[予見できない関係の取扱い(風土的人工物):片井]不便益的考え方では関係性を「重視するが逆に直接表現は不可能」というジレンマに対して、片井の構想する「風土的人工物」の援用を試みる。初年度にはこの考えが思索のレベルを超えなかったので、今後さらに精緻化する。
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