研究課題
超伝導を利用したSQUIDは超高感度な磁気センサとして知られているおり、材料の劣化検査や診断を高精度に行うためのSQUID非破壊検査装置の開発研究が行われている。しかしながら、SQUIDセンサには地磁気の影響を受けやすいという問題があり、実用化の際の大きな障害となっている。本研究では、液体窒素温度に冷却した検出コイルとSQUIDピコボルトメータを組み合わせることにより、高感度でかつ地磁気中での走査を可能とする非破壊検査プローブを開発することを目的としている。本年度の成果の概要を以下に記す。(1)走査形非破壊検査プローブの開発液体窒素温度に冷却した検出コイルと高温超伝導を用いたSQUIDピコボルトメータを組み合わせた走査形非破壊検査プローブを開発したコイルを液体窒素温度に冷却することにより熱雑音を大幅に減少させ、冷却コイルからの微小電圧をSQUIDピコボルトメータで検出することにより、検査プローブの高感度化を達成した。また、本プローブの周波数特性を調べ、地磁気等の低周波成分が除去出来ることを示し、地磁気中での走査を可能とした。(2)非破壊検査装置の試作開発した走査形の検査プローブに磁界印加コイルと補償コイルを組み合わせて、金属中の微小欠陥を検出する非破壊検査装置を試作した検査プローブを地磁気中で2次元的に走査することにより、地磁気中でも性能の劣化なしに動作し、欠陥からの信号磁界のマッピングが可能であることを示した。また、得られた磁界マッピングから欠陥の位置を推定する方法を開発した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Jpn. J. Appl. Phys. Vol.45, no.6A
ページ: 4994-4999
九州大学システム情報科学紀要 Vol.11,no.1
ページ: 57-62
電子情報通信学会技術報告 Vol.SCE2006
ページ: 41-46