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2008 年度 実績報告書

適応制御理論による植物細胞の状態推定と機能制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18656121
研究機関大分大学

研究代表者

末光 治雄  大分大学, 工学部, 助教 (50162839)

研究分担者 松尾 孝美  大分大学, 工学部, 教授 (90181700)
キーワードCAM型光合成 / 適応オブザーバ / 状態推定 / リミットサイクル / 非線形システム / 安定性
研究概要

本研究で我々は,Blasiusにより提案されているCAM植物1細胞モデルを用いてし,CAM生体リズムモデルを制御理論の立場から取り扱っている。これまで我々は,内部二酸化炭素量,細胞質のリンゴ酸および液胞内のリンゴ酸が観測可能と仮定し,測定するのことのできない分子レベルである液胞膜並びの巨視的平均値zや熱力学的平均場近似を用いて得られる液胞膜の非線形特性を推定する適応オブザーバを提案している。しかしながら,シミュレーションにより推定性能を検証しているが,安定性の証明に課題を残していた。また,我々は,推定した液胞膜並びをフィードバックすることにより,生体リズムの周波数を制御するには,限界があることを数値シミュレーションにより,指摘した。さらに,観測できる状態量を内部二酸化炭素量に限定した適応オブザーバを設計したが,液胞膜の非線形特性が未知の場合には,十分な性能が得られていなかった。そこで,今年度は,CAM生体リズムのダイナミクスにおいて,内部二酸化炭素量,細胞質のリンゴ酸が速い応答をするため,これをslow manifoldと呼ばれる代数方程式で近似することにより,2次ダイナミクスを持つslow systemを構成した。
さらに,このslow systemを用いて,液胞膜並びと非線形関数を推定する1次元の適応オブザーバの構成し,その安定性を証明した.提案したオブザーバでは,入手可能な状態量は,内部二酸化炭素量および液胞内のリンゴ酸とすることができ,細胞質のリンゴ酸はslow manifoldを用いて,内部二酸化炭素量から近似値を求めることができることを示した。最後に,設計したオブザーバの性能をMATLAB/Simlinkを用いて検証した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nonlinear Dynamics Estimation of CAM Plants Using Slow Manifolds2008

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Totoki, Haruo Suemitsu, Takami Matsuo
    • 雑誌名

      Proc. of SICE Annual Conference 2008

      ページ: 1877-1882

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Non-Model-Based Estimation of Friction Forces with Acceleration Estimator2008

    • 著者名/発表者名
      Kouichi Mitsunaga, Takami Matsuo
    • 雑誌名

      Proc. of SICE Annual Conference 2008

      ページ: 1883-1888

    • 査読あり
  • [学会発表] 瞬時リアプノフ指数を用いた連続時間時系列の減衰度推定2008

    • 著者名/発表者名
      十時優介, 末光治雄, 松尾孝美
    • 学会等名
      計測自動制御学会九州支部学術講演会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2008-11-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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