研究課題
本研究は、冬季における鋼床版橋の表面部が結露発生し、温度低下とともに凍結発生する現象を、床版部に蓄熱剤を用いることに対策することではなく、低温でも活動して発熱するバイオ菌の発熱効果を利用して熱を加え、表面部の凍結を未然に防ぐことを目的とするものである。開発するバイオ菌は環境負荷が小さく、空気撹搾による発酵で発熱するもので、橋梁との組み合わせは前例がなく、実橋梁に適応するための基礎的な研究として実施した。まず、リブ付き床版断面を想定した種々の形状を有するリブ模型を作成し、凍結融解試験機に入れて10℃〜-5℃の問で凍結融解実験を行った。強制的に結露を生じさせ、模型内部に入れるバイオ菌の量、容器の形状や設置方法を変化させ、模型の上下面の温度を測定しながら熱移動を調べた。模型の板厚や断面形状及び発熱体を変えることにより行った。次に、鋼床版模型桁(2mx3m)に箱型形状や台形形状あるいは円形形状のリブ断面を鋼床版桁に装着し、その内部にバイオ菌入りの培養土入れて冬季の温度変化が著しい条件の下におく暴露試験を試みた。特に、バイオ菌入りの容器の大きさを変化させ、発熱量の影響による結露凍結防止について温度変化を調べ検討した。また、アスファルト舗装も想定して、鋼床版にアスファルトを敷き、下側にバイオ菌入りの台形容器を装着して温度変化を調べた。並行してFEMによる温度分布解析を行い、熱源によりよる熱伝達のメカニズムについて調べた。以上の実験及び解析の結果、人工的に風を起こしてバイオ菌が発酵を促すことにより、朝方の低温時でも5℃以上に保っており、鋼床版の表面部も0℃以上を保った。また、鋼版に触れる面積が大きい台形容器の方が温度の保持に効果があることも分かった。解析ではメッシュ分割数に精度と解析時間が影響を受け、さらに改良をする必要があることがわかった。以上の結果を基に更に、実橋梁にバイオ菌入りの台形容器を装着した場合の暴露試験を試行的に行うことができた。これは架け替えするための橋長30m程度の橋梁であったことと、実用化に向けての課題を探ることが大きな目的であった。約2ヶ月間の暴露試験であったが、実際にバイオ菌入りの台形容器の装着方法や装着位置について種々の試みを行うことができた。また,路面上で温度計測を行ったが、一部で発熱効果が見られたものの、装着方法や温度計測方法等の問題も明確になった。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
第5回道路橋床版シンボジウム論文集
ページ: 235-240
10th International Conference on Inspection, Appraisal, Repairs and Maintenance of Structures
ページ: 251-258