研究概要 |
まず,計画は以下のとおりであった。 ◎開発1に関しては,メソスケールモデルでPMP(可能最大降水量)を算定するための基本技術を得る。 ◎開発2に関しては,「100年後の気候の予測値」を用いた解析を行なうと同時に,前年度の,太陽活動についての検討を,さらに深める。 ◎開発3に関しては,「ロバストな予測をするための数学的手法」の調査を引続き行い,具体手な手法を提案できるようにする。また,確率分布あてはめの適合度評価をする指標を再検討する。 得られた結果は以下のとおりであった。 【開発1】◎PMPを求めるために,マルチフラクタルモデルを使用することを考え,モデルの構築を行なった。このモデルによる降水量再現結果は,土木学会年次講演会で発表する予定である。 ◎上記のマルチフラクタルモデルにより,時間的な降水量の分解と,空間的な分解(スケールダウン)がともに良好な結果で行なえることを確認した。 【開発2】◎太陽活動に関する資料を多く集めたが,新たな知見は得ていない。 【開発3】◎まずは,長い間用いられてきた,確率的極値水文量の算定式(IDF式)の精度を算定するSLSCという基準の統計的な意味を明らかにした。本研究は,ここから始まる。
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