研究概要 |
(1)総流出量,河状係数,流出率,比流量,流況指標等の流出特性を表現する指標と,流域面積,細長率,流路延長,流域平均幅,流域形状係数等の流域平面形状をあらわすパラメータならびに,流域平均高度,起伏量,高度面積率特性地,流域傾斜等の立体形状を表すパラメータとの関係を把握した。 (2)上記の流域形状を表すパラメータと,Hortonの地形則等のパラメータと整理した。 (3)定めるパラメータ群をべ一スに,河道網の形成を確率統計的に捉えて導出されたSchreve-高棹の法則,ならびに塚本の方法を参考にして,河道網の模擬発生と一次流域の発生手法を構築した。 (4)GISを用いて,算定した情報を可視化する手法を逐次構築するとともに,発生させた河道網,1次流域から,河道網パラメータやHypsometric曲線(面積高度比曲線)が算定可能となるようにした。 (5)(4)で作成した河道網と一次流域の発生手法をベースに,侵食プロセスを模擬した形で地形標高を定め得る手法の素案をいくつか構築した。 以上をさらに要約すると以下のようである。 降雨-地形-流出関係の統一的解明へのアプローチとして、浸食過程に基づいて流域地形情報を模擬i発生させる手法を開発した。この手法によって地形統計則導出での仮定が侵食プロセスに起因することを示唆した。 また、今研究は、京都大学工学研究科都市社会工学専攻の優秀修士論文として論文賞を受賞した。
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