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2008 年度 実績報告書

ナイト流不確実性下の耐震改修政策に関するゲーム分析

研究課題

研究課題/領域番号 18656148
研究機関京都大学

研究代表者

多々納 裕一  京都大学, 防災研究所, 教授 (20207038)

研究分担者 藤見 俊夫  熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (40423024)
キーワード耐震補強 / 曖昧性 / 実証分析
研究概要

通常,地震の生起確率,被害の分布関数,耐震診断の精度,耐震改修の耐震性の向上の程度,耐震改修の費用対効果,耐震診断,耐震改修への信頼の程度などはモデル内で完全知識と仮定される.そのような知識の中で,実際,耐震診断を依頼した家計,「危険」と判断されても耐震性を向上させていない家計に対して2回の意識調査を行い,家計のもつ知識の曖昧性を表出化させた.まず,京都府城陽市の3000世帯を対象に曖昧性が意思決定にどれほど影響を与えるかを検証した.その結果,耐震補強に効果に関する曖昧性が耐震補強の価値を大きく損なうことを示すことができた.また,個人属性の影響を検討したところ、世帯主が女性であるほうが男性より認知している曖昧性が大きいこと,また,年齢が高く,大学・大学院を卒業しており,地震被害の経験のある世帯主ほうが,認知している曖昧性は小さくなることが示された.2度目の調査では,全国の耐震補強の経験のない戸建住宅の所有世帯に対象として,Webアンケートを実施した.そこでは,地震の発生リスク,地震による住宅損壊リスク,耐震補強後の住宅損壊リスクについて,その点推定確率とその95%の幅を尋ねた.その際,フラッシュを用いてゲージにより回答できるようにするなど,回答者の認知的負荷が大きくなりすぎないように工夫した.以上のデータを分析した結果,耐震改修の結果を保証する制度,例えば電化製品の保証書に似た精度を施行することにより,曖昧性による耐震補強市場の不効率性は大きく改善されることが示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 曖昧性回避が地震保険の加入選択に及ぼす影響の定量分析2008

    • 著者名/発表者名
      藤見俊夫, 多々納裕一
    • 雑誌名

      日本リスク研究学会誌 18

      ページ: 47-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Coalition-proof Payment Plan in Delegation of Design Verification in Public Works2008

    • 著者名/発表者名
      Mamoru Yoshida, Hirokazu Tatan
    • 雑誌名

      2008 IEEE Systems, Man, and Cybernetics Conference

      ページ: 3274-3279

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 公共工事における設計照査の委託と報酬スキームに関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      吉田護, 多々納裕一
    • 雑誌名

      土木計画論文集No. 25

      ページ: 285-291

    • 査読あり
  • [学会発表] 公共工事における設計照査の委託と結託の可能性に関する-考察2008

    • 著者名/発表者名
      吉田護, 多々納裕一
    • 学会等名
      平成20年度土木学会全国大会関西支部第63回年次学術講演会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-05-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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