研究概要 |
下水管軸に対して垂直方向にレーザ光を投光し,管内面で反射する光をCCDで撮影することで下水管形状を計測するシステムを試作した.平行な2平面のレーザを照射することで,管軸を正確に検出し,走行ロボットが傾いている場合にも管軸に垂直な断面形状を計測できる.高速回転用中空軸モータの中空軸にビームスプリッタと合わせ鏡を固定し,これを高速に回転させることで2平行レーザを投光するシステムとした.このレーザ投光器を管内に挿入し,管内面にレーザ軌跡を投光する.二つのレーザ軌跡は位相を180度ずらし,画像処理によって分離できるようにした.カメラの露光時間が30分の一秒の場合,900RPMでモータを回転させると2本のレーザ光によって2つの半円が管内面に描かれる.カメラの撮影時のモータ回転角をパソコンで読み取ることで,2つのレーザ軌跡の区別を行った. また,画像データを実座標データに変換するためのキャリブレーションアルゴリズムを検討した.回転する中空軸モータから投光されるレーザ平面上に目盛り板を重ね.目盛り板の画像をCCDカメラでコンピュータに取り込む.マウスでコンピュータディスプレイ上に表示された目盛りをクリックすることでカメラ座標とワールド座標の組み合わせを入力する.カメラ座標とワールド座標の関係をマトリックス表記し,カメラ座標とワールド座標の組み合わせを代入し,関係式を導き出すことでキャリブレーションを実施するアルゴリズムを製作した.また,レーザ平面上の様々な位置において各計測点の精度評価を行い,誤差は1mm以内となることを確認した.
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