研究課題/領域番号 |
18656160
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研究機関 | 清水建設株式会社技術研究所 |
研究代表者 |
橋田 浩 清水建設株式会社技術研究所, 生産技術開発センター, 研究員 (20175532)
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研究分担者 |
黒田 泰弘 清水建設株式会社技術研究所, 研究員 (10416810)
田中 博一 清水建設株式会社技術研究所, 研究員 (60443751)
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キーワード | 資源循環 / 再生コンクリート / 骨材 / リサイクル / ポーラスコンクリート / 乾燥収縮 |
研究概要 |
本研究は、資源循環指向型コンクリートの仕様と建築物適用のための基本特性を検討することを目的としている。コンクリート塊を再生利用する場合、再生細骨材は、再生粗骨材に比べ、エネルギー消費と副産微粉末の発生量が多くなることから、次のようなコンクリートを資源循環指向型として位置付けた。(1)細骨材を用いない、あるいは必要最少量とする。(2)細骨材を用いる場合は石灰岩砕砂とし、粗骨材再生後のCa高含有残渣はセメント原料等として循環させる。(3)セメント量を抑制し、かつ粗骨材再生を容易にするため、コンクリートの空隙率を高め、かつ外観の意匠的な効果を狙う。(4)強度は30N/mm^2程度以上得られるものとする。 18年度の実施項目は、(1)成形性・外観の評価、(2)圧縮強度・割裂引張強度試験、(3)乾燥収縮ひずみ試験、(4)部材のリサイクル性評価、(5)鉄筋埋設試験体の屋外暴露試験の開始である。今回の資源循環指向型コンクリートは、ポーラスコンクリートをベースとし、設計空隙率は一般的なポーラスコンクリートより小さい10%とした。 外観はいずれの調合についてもやや密実なポーラスコンクリートで「おこし」のような印象となった。ただし、成形性についてはさらに調合検討が必要である。圧縮強度については、容易に30N/mm^2以上得られることを確認した。圧縮強度と引張強度の関係は一般コンクリートとほぼ同等であり、鉄筋との付着特性もそれ程低下しないものと類推された。乾燥収縮ひずみについては、セメント量が多く空隙率が高いためと思われるが、普通コンクリートより若干大きい傾向にあった。ただし、石灰岩砕砂を混入すると収縮低減効果が認められ、普通コンクリートと同程度となった。リサイクル性については、再生粗骨材製造後の残渣のCaO含有率が普通コンクリートの2倍程度となり、セメント原料等へ有効利用できる可能性を確認した。
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