研究概要 |
平成18年度は以下のことを行った. [空間情報科学の現状把握] 近年のリモートセンシング技術の発展に伴い,空間情報を扱う領域は大きな変化を遂げている.本研究プロジェクトを進めていくにあたり不可欠な空間情報科学分野の基礎知識を把握することに努めた.具体的には,21世紀におけるジオテクノロジーの位置づけ,アルバート・ゴア元アメリカ副大統領が提唱したデジタルアース構想,ソフトウェアの検討,そしてGoogle Earthの概念などについて情報収集し,本研究の位置づけ等を検討した. [江戸東京を対象とした都市復興アーカイブの作成] 検討した結果,本研究の長期的な目的を,近年のデジタル化及び空間情報科学の発展を踏まえ,被災と復興という視点から都市空間の変遷をデジタルアース上に記録する方法論を構築し,体系化された枠組みの中で都市復興に関する空間情報をデジタルアーカイブとして記録していくこととした. そのための一つの事例として,江戸末期から明治時代における明治維新,1923年関東大震災,1945年第二次世界大戦による戦災等,いくつかの被災を被りながら世界的な大都市として成長してきた江戸・東京の都市復興の変遷を取り扱うこととした.具体的には,日本における近代化の影響を受け,様々な都市計画が試みられてきた千代田区丸の内地区,大手町地区,中央区京橋地域,そして日本橋地域を対象とし,Google Earthを用いた都市復興アーカイブを作成した.それらを論文として投稿した. [台湾集集地震の復興に関するデジタルアーカイブの作成] 現在進めている1999年台湾集集地震に関する復興調査結果をGoogle Earth上で再現することを試みた.その結果,Google Earth上に三次元のデジタル都市を構築することができた.
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