研究概要 |
〔江戸東京を対象とした都市復興アーカイブズの作成〕 前年度に行った江戸東京を対象とした,Google Earthを用いた都市復興アーカイブズを対象として,その作成過程を方法論としてまとめた. 〔GISを用いた地域の空間的様相の変遷把握に関する検討〕 現在入手できる地理情報システムのデータを用いて,都市の空間的変遷の把握がどの程度可能なのかを検討した.本年度は,東京都で行われている木造住宅密集地域整備促進事業の効果を評価することを目的とし,事業が実施されている41地区を対象として,4つの客観的防災性能評価指標((1)建物棟数密度,(2)CVF(Covering Volume Fraction),(3)木造建物棟数率,(4)建物倒壊危険量)を用いて分析を行った.まず4つの指標を個々に巨視的に分析を行った.その結果,個々の指標においては,事業の着手の有無によって著しい差異は見られなかった.建物棟数密度は,事業の着手の有無に関係なく減少傾向にあった.CVFは,事業の着手によって若干の差が見られ,5年間の比較では差は見られなかったが,10年間の比較で約2ポイントほど減少値に差が生じた.木造建物棟数率は,建物棟数密度同様,事業の着手の有無に関係なく減少傾向にあることがわかった.木造は,建替えによって非木造のRC造やS造に推移していると言える.建物倒壊危険量は,事業の着手の有無に関わらず減少しており,その減少幅は潜在的な建物倒壊危険性に影響されている.事業の着手の有無による差は見られなかった. 〔台湾集集地震の復興に関するデジタルアーカイブズの作成〕 昨年度構築した1999年台湾集集地震の仮想都市を題材とし,被災地の復興に関する情報を記録するノウハウを方法論としてまとめ,重要施設の復興情報等を当該デジタルシティに追加した. 以上の成果を研究成果を論文等にまとめ,国際会議,学会等にて発表した.
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