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2006 年度 実績報告書

ナノクラック分裂片のすべり運動による塑性変形

研究課題

研究課題/領域番号 18656184
研究機関東京工業大学

研究代表者

小島 聡  東京工業大学, 留学生センター, 助教授 (00202060)

研究分担者 義家 敏正  京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20124844)
佐藤 裕樹  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20211948)
キーワード金属 / 格子欠陥 / 塑性変形 / 高速変形 / 高応力
研究概要

転位によらない塑性変形機構の研究の場合、新たな変形機構を提案するだけでなく、本当に転位で変形していないのかを先ず明らかにすべきと、以前より我々は学会で指摘を受けている。転位が高速で移動・消滅するために観察できないだけで、実際は転位により変形が進行しているのではないかというわけである。しかし発生しない転位を実際に存在しないと証明することは非常に難しい。この極めて困難な課題を、転位が発生しにくい原因を追究することで解決できる目途がついた。
本研究のルーツである高速塑性変形の研究は1995年に名古屋大学(当時;後に広島工業大学)の桐谷らの研究グループが開始したものであり、そもそもの出発点は、単原子レベルの点欠陥までをも透過型電子顕微鏡で観察可能にするために、超清浄な表面を持つ薄膜試料を準備する必要があったことにあった。その目的で考案されたのが金属の薄い板を引張り破断させ、その破断部を観察するというものである。この破断部を高分解能観察すると極めて鮮明な像が観察できたため、目標の超清浄な試料表面が得られたことが確認された。
上記の経緯により薄膜の引張り破断面は極めて清浄であることが分かっている。このため、引張りにより薄膜に張力が付与された場合、試料の表面張力の効果が大きくなっていることが考えられる。即ち試料表面から転位を導入してステップを作るより、試料表面をできるだけ滑らかにする方向に表面張力が働いている可能性が高い。このことにより、転位によらない変形機構が発現すると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Behavior of vacancies near edge dislocations in Ni and α-Fe : Positron annihilation experiments and rate theory calculations2007

    • 著者名/発表者名
      K.Sato, T.Yoshiie, T.Ishizaki, Q.Xu
    • 雑誌名

      Physical Review B 75

      ページ: 094109-1-11

  • [雑誌論文] アルミニウムおよびアルミニウム合金の高速変形組織2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤裕樹, 義家敏正
    • 雑誌名

      軽金属 57

      ページ: 80-87

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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