出発原料に金属Alを添加したGeO_2系ガラス、SiO_2系ガラス、GeO_2-SiO_2系ガラスを溶融急冷法により作製した。各ガラスサンプルの蛍光スペクトルを測定した。作製したGeO_2系ガラス、SiO_2系ガラスの励起スペクトルはそれぞれ364nmと280nmにピークを持ち、各ピーク波長での励起による蛍光スペクトルは、GeO_2系ガラスが650nm(Red)、SiO_2系ガラスが500nm(Blue)を中心とするブロードなピーク形状を示した。さらにGeO_2-SiO_2系ガラスでは、322nm励起による蛍光スペクトルにおいて、可視領域から近赤外域に亘る非常にブロードな発光を示し、白色発光していることを確認した。なおGeO_2系ガラスとSiO_2系ガラスとでは励起波長が異なることから、励起波長を変化させることで各ピークの強度比を変化させ、色度の調整が可能であることを明らかにした。これらの発光因子は、金属Alにより還元されたGeやSiのナノ微粒子が考えられた。さらに加熱ステージを使用して420℃程度に加熱したZnO結晶内部にフェムト秒レーザーを集光照射し、購入したワイドレンジズームレンズを使用して構造変化を観察したが、顕著な変化は確認できなかった。ZnO単結晶は二光子過程によるエキシトン発光が起こることが知られているが、加熱温度が不十分なことが理由だと考えられる。今後はZnO結晶におけるエキシトン発光効率の温度依存を詳細に検討し、フェムト秒レーザーで酸素欠陥が誘起できる条件を見出す。
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