研究課題
0.016MのZn(CH_3COO)_2・2H_2O水溶液と0.20MのNM_4OH水溶液を混合してpHを11に調整した混合溶液にフェムト秒レーザーを集光照射することによって、ZnOのナノワイヤーを形成した。レーザーの集光部近傍において、溶液が不均一になり、核生成が誘起され、さらにその後の熱処理によって、ナノワイヤー状に成長した。レーザー未照射の場合は、核生成が十分に起こらず、不定形のZnOが形成されるが、レーザー照射によって結晶性の良いZnOのナノワイヤを形成されることを確認した。形成したZnOナノワイヤは直径10〜40nm、長さが1.5μmで、390nmにバンドエッジ由来の発光と580nmに酸素欠陥由来の発光を示した。また、フェムト秒レーザーパルスの繰り返し周波数を1kHzと250kHzで比較したところ、ZnOナノワイヤ形成には照射エネルギーにしきい値が存在し、それぞれ200μJ、2.4μJであることを確認した。250kHzの繰り返しの場合は、熱蓄積の効果のためにしきい値が1kHzに比べて約10分の1になったと考えられる。さらに溶液のpHを8〜10に調整することによって、ZnOナノチューブの形成も可能であることを見出した。これは、レーザー照射によって形成されるZnOの前駆体Zn(NH_3)_4^<2+>がpHが低い場合、Zn(OH)_4^<2->に変化するためと考えられた。本研究によって、固体材料だけでなく、液相にフェムト秒レーザーを照射することによって、核生成を室温で促進させ、その後の熱処理によって、異方性の強いナノ材料の合成技術を確立することができ、新規発行素子への応用が期待できる。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Journal of Nanoscience and Nanotechnology (in press)
Applied Surface Science (in press)
Chemistry of Materials 19
ページ: 1206-1208