研究課題/領域番号 |
18656195
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菅原 義之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50196698)
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研究分担者 |
安盛 敦雄 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40182349)
熊田 伸弘 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (90161702)
田原 聖一 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (20434293)
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キーワード | ナノシート / インターカレーション / グラフト反応 / ゾル-ゲル法 / 光触媒 / 酸化チタン / 層状オキシハロゲン化物 |
研究概要 |
平成18年度は層状チタンオキシクロライドの合成とアルコキシ基修飾およびアルコキシ基修飾体のアルコール交換反応についての検討を行った。 【層状チタンオキシクロライドの合成とアルコキシ基修飾】三塩化チタンと三酸化二チタンをグローブボックス内で混合した試料を石英管に真空封入し、マッフル炉で650度で7日間加熱して層状チタンオキシクロライド(TiOCl)を得た。得られたTiOClとリチウムエトキシドをソルボサーマル法で反応させた。生成物の粉末X線回折(XRD)分析より、TiOClの層間隔に帰属される0.80nmの回折線が消失し、新たに1.19nm回折線が出現したことが分かった。個体炭素-13核NMR磁気共鳴分光分析(NMR)を用いて、エトキシ基の存在とTi-O-C結合の形成が確認できたことから、反応生成物がTiOClのエトキシ基修飾体であることを明らかにした。 【エトキシ基修飾体のアルコール交換型反応】上記の得られたエトキシ基修飾体をn-アルコール(n-ブタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、n-デカノール)をオートクレープで反応させたところ、層間隔が増大し、Ti-O-C結合を有した各種アルコキシ基が生成した。この結果はエトキシ基修飾体がでも金属アルコキシドと同様のアルコール交換反応が可能であることを示している。これより研究計画にある、層表面修飾体を用いた新しいゾル-ゲル法の化学の提案に向けた準備がほぼ完了したと考えている。また、このアルコール交換反応により層表面にC=C二重結合を有する有機分子の固定化も可能であることが確認されており、ゾル-ゲル法と層状物質の化学の組合せだけでなく、ヒロドシリル化を用いたSi系高分子との複合化へ向けての計画も推進している。
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