ポリビニルピロリドン(PVP)を含有する金属塩水溶液をコーティング液として、スピンコーティングによりPb(Mg_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-PbTiO_3(PMN-PT)薄膜を作製した。ただし、酸化ニオブ層と鉛-マグネシウム-チタン酸化物層をPt(111)/TiO_X/SiO_2/Si(100)基板上に積層し、750℃または800℃で焼成した。250±20nm厚の単一相0.7PMN-0.3PT薄膜を作製することに成功した。750℃で焼成して作製した薄膜の誘電率、誘電損失は、それぞれ1900±350、0.13±0.03であり、薄膜は強誘電体特有の分極-電場ヒステリシスを示し、残留分極5.1μC cm^<-2>、抗電場21kV cm^<-1>が観測された。 モル比ZrCl_2O:PVP:H_2O=1:1:265なるZrCl_2O-PVP-H_2O溶液をコーティング液とするディップコーティングによりSi(100)基板表面にZrO_2ゲル膜を作製し、100〜900℃で熱処理した。熱処理膜の鉛筆硬度と、基板との密着性を評価した。その結果、PVPの熱分解がほぼ完了する400℃以上の温度でゲル膜を熱処理すると、膜と基板の密着性が増大することがわかった。また、鉛筆硬度は、熱処理温度を100℃から400℃に上昇させると増大し、500℃から900℃に上昇させると減少することがわかった。
|