研究課題/領域番号 |
18656205
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
池野 進 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (70115129)
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研究分担者 |
升方 勝己 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (80157198)
野瀬 正照 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (70269570)
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キーワード | 金属ガラス / アルミニウム / 極表面 / 複合化 / 強電圧パルス電流 / X線回折 / EDS分析 / ナノインデンター |
研究概要 |
アルミニム基の金属ガラスを超急冷が可能な日本一の大容量高電圧パルス発生器を用いて開発する試みを行っている。当初、各種合金を溶製して作成したが、溶融点が大きく異なる元素の組み合わせのため均一な組成のものが得られなかった。そこで、各種元素の粉末原料を購入し、乳鉢にて良く混合した後、電子ビーム溶解でボタン状の材料を作成したところ、X線回折、EDS分析結果で比較的良好な試料が作成できたことが確認されたので、高電圧パルスを照射した。その結果、ボタン状の試料に空洞が大量に存在したために、極表面を均一に溶解することができなかったことから、良好な表面が得られなかった。 相当数の試行錯誤の後に、現在は、粉末原料を混合し、電子ビーム溶解で2,3度裏表とひっくり返して完全に溶解した後、HIPを用いてアルゴンガス中で圧縮してボタン状試料内の空洞を消した後、高電圧パルスを試料表面に照射する手法を確立した。 予備的実験では、試料の極表面が均一に溶解し、単一相が得られることを確認できた。現在、金属ガラスとなる成分を粉末で混合して作成し、一連の作業工程を経た後に、高電圧パルスをかけて金属ガラスとなる条件を探索中である。できるだけ、試料表面のみが金属ガラス化するようにパルスを制限してかけているために、試の溶解量が足らず良好な金属ガラス状態が得られにくいのが難点である。今後は、パルスの回数等の照射条件を系統的に整理し、良好な金属ガラス表面を得る手法を確立するとともに、アルミニウム基盤上に極薄い金属ガラス相を形成して新規材料の開発を行う計画である。
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