研究課題
Nd-Fe-B系磁性材料は、従前のSm-Co系磁性材料の磁気特性を遥かに凌ぐ優れた硬磁性材料として、実用化されている。この磁性材料は、急冷凝固によるアモルファス相からの熱処理により析出結晶相の種類、形態を制御する方法と、粉末焼結による非平衡プロセスを利用しての相選択ならびに形態制御に大別される。これら両プロセスでは、磁気特性改善のためには軟磁性相のα-Fe、Fe_3Bと硬磁性のNd_2Fe_<14>B相以外の有害相の生成を抑えると共に組織微細化を図っている。しかし、いずれのプロセスでも試料全体が同一熱履歴を持つためピンポイントでの組織制御は困難である。電子線を結晶あるいはアモルファス相に照射すると、電子の弾き出し効果により、電子線照射誘起相転移が起り得る。本研究では、熱処理工程に代わる新たな組織制御法として電子線照射による「結晶-ガラス転移(固相アモルファス化)」、「ガラス-結晶転移(結晶化)」および「結晶-アモルファス-結晶転移」を利用し、Nd-FePB系磁性材料のナノコンポジット組織制御を試みた。、その結果、磁気有害相である、Nd_2Fe_<23>B_3が、電子線照射誘起結晶-アモルファス-結晶転移によって磁気的有用相であるα-Feとアモルファス相へと変態することを見出した。本発見は、Nd-Fe-B系磁性材料のナノコンポジット組織制御における「電子線照射法などの機械的原子変位を利用した磁気的有害相消去プロセス」とも言える新技術であり、急冷凝固・粉末焼結とは異なる第3のNd-Fe-B系磁性材料作製プロセスの可能性を示唆している。
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