機能性金属構造体創製とは、金属材料の組織、形態を含めた構造を形成・制御することによって新機能を発現させる構造体創製を意味する。ファイバーレーザを用いた「オールアラウンドレーザフォーカシング(全周囲レーザ集光)法」による局所加熱によって、金属材料の微小領域の溶融を実現し、機能性金属構造体創製の要素技術の一つである微小領域における金属間化合物の合成を試みる。また、微小金属溶融滴の積層による微小(マイクロメータースケール)三次元造形についても試みる。本年度は、主に金属溶融滴生成のためのオールアラウンドレーザフォーカシングシステムの設計・製作を行った。当システムはレーザ照射系及びレーザ照射時間制御系から構成される。 1.レーザ照射系の設計・製作 ファイバーレーザを用いた中心軸抜きレーザビームを形成及び金属細線あるい拝金属微粒子ビーム導入のための穴あきプリズムの設計・製作を行った。中心軸抜きレーザビームの集光及び金属細線あるいは金属微粒子ビーム導入りための穴あき凸レンズを設計・製作した。金属細線導入機構(構造)についても設計・製作を行い本レーザ照射系に付加した。 2.レーザ照射時間制御系の設計・製作 金属材料への投入エネルギーを高度に制御するためにメカニカルシャッターを光軸にセットし、開口時間を制御することでレーザ照射時間制御を行えるようにした。金属基板上の目的とする位置に必要な時間、レーザを照射あるいは金属溶融滴を落下させるために、メカニカルシャッターと同期させるXYZステージを導入した。
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