研究課題/領域番号 |
18656244
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
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研究分担者 |
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (50252622)
加藤 晃 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80283935)
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キーワード | タバコ / 葉緑体 / 形質転換 / スフェロプラスト / GFP遺伝子 / レーザーマニュピレーション / UVレーザー / ナース細胞 |
研究概要 |
葉緑体ゲノムは植物の葉の細胞あたり約1万コピー存在し、これに外来遺伝子を導入すればgenedosage効果が期待でき、植物の劇的な改変が可能である。現在、葉緑体の形質転換は葉緑体が発達している緑葉に遺伝子銃でベクターを導入するが主流であるが、緑葉からカルス誘導・個体再生の系が使えるのはタバコ、レタス、ジャガイモなど数種の植物に限定されている。本研究では、再生が容易なカルスにレーザー加工技術により細胞壁を部分的に除去したスフェロプラスと、インビトロで外来遺伝子を導入した葉緑体を包摂したリポソームをレーザー照射により融合させ、容易に形質転換葉緑体をもつ植物体を得る普遍的な技術の開発を目的とする。 昨年度までにタバコ、Nicotiana tabacum SR1細胞にUVレーザーを0.1秒間照射すると細胞膜に径数μmの穿孔が可能な条件を決定した。しかし、これでは細胞膜にも損傷を与え、細胞内容物が漏出した。今年度は0.7Mマンニトールを含む高張液にカルスを30分間浸漬し、顕微鏡下で原形質を分離を確認し、細胞膜から離れた細胞壁にレーザー照射し穿孔後、等張液に戻すことにより、細胞質成分の流出を防ぎ、かつ再増殖が可能であった。細胞集塊が大きければ再増殖効率は高いが、多くの細胞を的確に穿孔するには細胞数が少ない集塊を用いることが望ましい。そこでGFP遺伝子を導入したカルスをペクトリアーゼで処理し、10細胞程度の細胞小集塊にし、高張液処理、レーザー穿孔、等張液懸濁後、LS培地での再増殖を検討した。細胞小集塊は再増殖しなかったので、GFP遺伝子を導入していないタバコ細胞をナース細胞として用いたところ、増殖効率は低いがGFP遺伝子導入細胞が増殖することが確認された。 基本技術の一部が出来たので、今後のレーザーマニュピレーターで葉緑体を導入する段階に至った。
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