非接触部の光伝達損失を極力小さくさせる方法の開発 回転体のひずみ計測を行うには、通常はスリップリングなどの特殊な機構を用いることが必要であり、また計測点数が限られるなどの問題がある。そこで、本研究では光ファイバーを用いたひずみ計測方法の一つであるファブリーペロー式ひずみゲージを用いて、回転体のひずみを効率的に精度よく計測できる技術の構築を目指した。 H19年度では、ひずみゲージ部分から反射する光を分光処理して、共振する波長の複数のピーク周波数からひずみ量を計算するアルゴリズムを構築し、ファブリーペロー式ひずみゲージから得られる光データ(光スペクトル)を処理して、共振波長に関して最小二乗近似や標準偏差などの演算結果を利用することにより、分解能の比較的低い分光器を利用しても、十分な精度でひずみ値を算出できることを確認した。 次に、回転体を模擬した装置を用いて、回転相当部にファブリーペロー式ひずみゲージを貼付してひずみ計測を行なった。この計測では、固定部と回転部の間に光の空間伝送部分、すなわち非接触結線部を設けているが、コリメータレンズやカップラーと適切に配置することにより、回転体のひずみ計測が空間伝達を用いた結線方法で可能であることを実験で確認することが出来た。
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