研究課題/領域番号 |
18656267
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
東井 和夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20093057)
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研究分担者 |
磯部 光孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (00300731)
中島 徳嘉 核融合科学研究所, シミュレーション科学研究部, 教授 (30172315)
大舘 暁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (00270489)
河野 康則 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (90354589)
武智 学 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究員 (40370423)
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キーワード | トカマク / ディスラプション / 逃走電子 / 低域混成波電流駆動 / 電子サイクロトロン加熱・電流駆動 / アストロン・スフェレータ / 磁気井戸 / 高ベータプラズマ |
研究概要 |
本研究は、トカマクのディスラプション時に印加した高周波加熱や電流駆動により効率よく逃走電子電流を生成しプラズマ電流をこれで置き換え、ディスラプション影響を小さくしつつアストロン・スフェレータ配位の実現の可能性を探る。 JT-60U装置の平成20年上半期での停止に伴い、本研究課題の実験実施が困難となったため、小型トカマクHT-7(主半径R=1.12m,小半径a=0.27m,トロイダル磁場Bt〓3T;中国科学院等離子体物理研究所)の共同研究として実験を行った。 プラズマ表面の安全係数を3よりわずかに大きくし、ディスラプションが再現性良く発生する条件を設定した。Bt^-1.5T,プラズマ電流-140kA、線平均電子密度-1.5×10^<19>m^<-3>の重水素プラズマにおいて、ディラプションの約50ms前から低域混成波電流駆動(LHCD)を行なった場合とそうでない場合とで放電特性を比較した。LHCDを行わない場合、プラズマ電流はディスラプションのため10Vを超えるループ電圧を発生しながら10ms以内に急激に消滅する。一方、LHCDを印加するとマイクロ波とディラプションの初期の電流減少に伴うループ電圧増加との相互作用で効率よく逃走電子が生成され、ディスラプション前のプラズマ電流に相当する電流が逃走電子電流に置き換わることが確認された。硬X線放射や軟X線放射強度の径方向分布は、プラズマ電流密度分布のコア部への集中を示した。この結果は、Erikssonらの理論シミュレーション(L.G.Eriksson, et. al.,Phys.Rev.Lett.92(2004)205004)と定性的に一致する。最終年度はディスラプションによるループ電圧とLHCDとの相互作用で生ずる逃走電子の損失過程を明らかにし、大型トカマクへの適用性を評価する予定である。
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