研究課題/領域番号 |
18656274
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
児玉 竜也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60272811)
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研究分担者 |
清水 研一 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (60324000)
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キーワード | 太陽熱 / 太陽光 / ハイブリット / 水分解 / 水素エネルギー / 光触媒 / 金属酸化物 / 熱化学サイクル |
研究概要 |
本研究では、反応性セラミックによる水の2段階熱分解サイクル反応を、半導体の光化学的効果を他金属ドープで反応性セラミックに添加するという手法で、低温化する試みを行う。 1.反応性セラミックによる反応デバイス)の設計・合成 熱活性による水分解活性を持つ鉄含有型立方晶ジルコニア(反応性セラミック)はFe_3O_4をイットリウム立方晶安定化ジルコニア(YSZ)へ担持し、これを1400℃以上で不活性ガス中で熱処理して得られる。この微粉体を合成し、これを熱-光ハイブリット活性の発現を期待して、紫外-可視応答性のあるジルコニア発泡体マトリックスへウオッシュコート法で担持し、反応デバイスとした。 2.擬似太陽集光による反応デハイスの活性試験 上記の反応デバイスを、小型ボルメトリック反応器に装填し、小型太陽炉シミュレータを用いて可視光照射で熱還元反応を行い、水分解反応は赤外線イメージ炉で行うというサイクル反応を行った。熱還元温度1400℃、水分解温度1100℃の2段階サイクル反応を13サイクル反応を行い、いずれのサイクルでもの水素発生が観測された。最大で担持したFe_3O_4の45%が水分解反応に寄与していることが分かった。並行して、担持した反応性セラミック粉末試料を赤外線イメージ炉によって1400℃で熱還元した場合のサイクル反応の熱活性を試験した結果、Fe_3O_4は最大で35%が水分解反応に寄与するのみであった。粉末試料の方が反応デバイス化した試料と比較してセラミック反応体の比表面積が大きく、常識的には高活性が得られるはずであるが、逆の結果が得られたことは非常に興味深い。期待通り、ジルコニアマトリックスの光触媒効果が関与し、活性を向上させている可能性が示唆された。
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