研究概要 |
ホウライシダのスイッチング機構解明のために、ホウライシダ前葉体から効率的なプロトプラストを単離する試みを行った。 1 セルラーゼの検討 セルラーゼRSでは全く単離できなかった。 セルラーゼY-Cでは、多少のプロトプラストが単離できたが、利用可能なほどではない。 2 ペクチナーゼの検討 マセロザイムR10では効率よい単離はできなかった。 ペトリアーゼY23は、単離できたが十分量とはいえなかった。 また現在のところ、前葉体からのプロトプラストには効率よい方法は見つかっていない。遺伝子を直接導入するために、アグロバクテリウムを用いた。pPZPベクターをベースにした35SプロモーターにGFPを結合した発現できるベクターを作成しアグロバクテリウムGV3101株を使った導入を試みた。前葉体の再生はおきたが、薬剤耐性の前葉体は得ることが出来なかった。しかしながら、形質転換植物を得るまでには至っていない。 一方で、ホウライシダの光受容体形成に関与するHO1,HY2遺伝子を単離した。両者とも葉緑体に移行するシグナル配列を持っていることがコンピューター解析からわかった。さらに配列にGFPを結合させ、一過的にホウライシダ前葉体細胞に導入発現させた。その結果、GFPの蛍光は、細胞質ではなく葉緑体で蛍光が見られた。この結果から、このシグナル配列は葉緑体に移行するのに機能していることが明らかに出来た。さらに単離したHO1,HY2遺伝子は葉緑体で機能していることが示唆される。
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